使いきる。
先日、有元葉子さんの著書『使いきる。』を読みました。
図書館で目が合ったので、借りました。
いつも冷蔵庫の中途半端に余った食材や、新しく購入したノートを
なかなか最後の最後まで「使いきる」ことができていないことが
自分の中で負の習慣であるように思っていたから、
このタイトルにピンときたのかもしれません。
とても明快な整理術でした。料理家さんの哲学は素敵だなと感じます。
印象に残ったのが、「マニキュアは1本だけ」という考え方
以下、引用
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いるもの・いらないものを見極めるとき、台所道具から器から洋服からすべて、
私は考え方が一緒です。
すごく単純。道具や器なら「使うか、使わないか」、服なら「着るか、着ないか」。
現在から未来に向かって「使うもの」しか持ちません。
たとえば、持っているマニキュアも1本だけです。マニキュアは好きですけれど、
お料理をしているとなかなか塗る機会がない。
それで使い残して古くなったものは固まってしまうし、市販の薄め液を使ったところで、
最初にようにきれいに濡れないんですよね。だから、そのシーズンの新色を1本だけ買って
楽しみ、新しい1本を買うときには古いものを処分します。常に1本だけなのです。
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思えば、3か月前に浜松から掛川へ引っ越すときに、使い切れなかった中途半端ないくつもの
マニキュアの中身の液を新聞紙に染み込ませながら、罪悪感を感じていました。
そのほか、使いきれなかった化粧品や調味料などたくさんのゴミを出してしまいました。
その時、新しいものを買うのは簡単だけど、それを手放すときのことをよく考えたいなと
強く感じたので、有元葉子さんの考え方がすごく胸に響きます。
ここで一旦、ヨガ哲学の話になりますが、ヨガの八支則としてポーズの実践のほかに
生活に活かせる教えとしてヤマ(してはいけないこと)・ニヤマ(すべきこと)
という教えが存在しています。
その教えのひとつに、同じような考え方があるな、とふと思いました。
「アパリグラハ」という教えです。
アパリグラハ(不貪)
直訳すると「あらゆることに執着しない」という意味を持ちます。
次から次に沸き起こってくる欲望に翻弄されず、何かを必要以上に所有しないこと。
必要以上に所有し執着がわくことで、失うことへの恐怖や奪われるかもしれないという疑い、
他人への嫉妬や怒りも自分の中に沸き起こってくると言われています。
不必要な物や考え方を手放し、あるがままを受け入れ、求め過ぎることなく心軽やかな状態を目指す。
こうして、有元葉子さんの著書を読んで、
『単にモノを所有しない、のではなく、自分にとって必要なモノを見極め、
必要なものだけに時間とメンテナンスの労力と時間を注いでいきたい』と感じ、
自分の中の「アパリグラハ」の解釈もまたひとつアップデートされました。
心地よく暮らすために、いろいろと自分の習慣を見つめなおし、
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